皆様は副業をされていますか?副業に興味がありますか?
最近、薬剤師の皆様から転職のご相談をお受けする中で増えたことがあります。それは「副業と薬剤師の仕事を両立したい」というご希望です。一方で、皆様が副業にあたり悩まれていることが多いことも特徴です。
このお悩みを解決し、副業と本業をバランス良くこなすことができる新たな選択肢として、地方の調剤薬局への働き方を変える移住があります。
実際に、週休3日薬剤師.comでも副業と本業の両立を実現したいとご相談いただき、住む場所とともに働き方も変える移住をされた薬剤師さんが多くいらっしゃいます。
このブログでは、副業と本業をしっかり両立したい薬剤師さんに選択肢のひとつとして「副業と本業を両立するために、週休3日正社員として地方の調剤薬局に転職する移住」をご紹介させていただきます。選択肢のひとつとして参考にしていただければと思います。
1 薬剤師と副業
1.2 副業したい薬剤師が増えています
2020年頃から副業したい薬剤師さんが増えてきました。20代後半から30代前半を中心に増えてきた印象です。副業の内容は様々ですが「ブログを書きたい」「SNSに力を入れたい」「投資をしたい」といった内容が比較的多い印象です。副業したい薬剤師さんが増加した理由は代表的なもので3つ考えられます。
1.2.1 SNSで副業についての話題が増えた
ひとつ目は「副業についての話題に触れる機会が増えた」ことです。日本において副業に対する関心が急速に高まってきました。厚生労働省からも「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が出されている程です。関心の高まりを背景にSNSにおいても副業に関する話題が加速度的に増えました。20代後半から30代前半はSNSを利用されている方が多いので、副業の情報を目にし「自分も副業をやってみよう。副業をやってみたい」と思われる薬剤師さんが増えたのだと考えられます。
1.2.2 薬剤師の給与水準が下がった
副業したい薬剤師さんが増えてきた理由の2つ目は「薬剤師さんの給与水準が下がった」ことだと思われます。これは特に東京や大阪などの都市部で顕著です。
給与水準が下がった背景は2点あり、ひとつが「2020年の新型コロナウィルスの感染拡大により薬剤師さんの需要供給バランスが一気に進んだ」点です。感染拡大により多くの調剤薬局さんは処方箋枚数が減りそれに伴い薬剤師さんが必要になくなりました。特に薬剤師派遣や高額報酬を受け取っていた薬剤師さんは2020年夏から秋頃にかけて契約終了や解雇されるケースが多く合ったようです。時給のパートさんが残留し、正社員が解雇されるケースも多く状況が激変しました。離職した薬剤師さんが転職市場に溢れ、法人は高額報酬でなくても薬剤師さんを採用できるようになりました。その結果、薬剤師さんの給与水準が都市部を中心に大きく下がったのです。
もうひとつは「薬剤師さんの数が増えた」ことです。これは2020年以前から指摘されていました。シンプルに薬剤師の国試合格者が増え、薬剤師免許保有者が増加しました。特に東京・大阪や名古屋・札幌・福岡などの大都市では薬剤師さんの充足傾向は明らかでした。当たり前ですが、もともと大都市は人口が多くそれに比例し薬剤師さんの数が多いのです。加えて、薬科大学の数が大都市及びその周辺に多い事情もあります。さらに、転職に合わせて大都市に移住したいという薬剤師さんも多く、薬剤師さんの充足は加速度的に進みました。
以上2点を背景に、薬剤師さんの給与水準が下がりました。具体的には2018年頃には東京方面で薬剤師さんが転職するにあたっての給与水準は(もちろんキャリアや評価によって異なりますが)概ね年収450万円〜580万円程度ぐらいでした。これが2024年においては年収400万円〜500万円程度となりました。以上のように経済的な事情も、副業したい薬剤師さんが増えた理由のひとつだと思います。
1.2.3 薬剤師が手軽に副業を始められるようになった
副業したい薬剤師さんが増えてきた理由の3つ目は、薬剤師さんが手軽に副業を始められるようになったことでしょう。これは薬剤師さんに限った話ではありません。ITインフラの整備、スマホの高機能化、SNSやYoutube、ランサーズ、noteなど副業を始められるプラットフォームやWebサービスの増加など10年前に比べれば格段に副業がしやすい環境が整ったと言えるでしょう。これらを使いこなせる20代後半から30代前半の世代が、薬剤師の仕事にも慣れ、副業に関心を持つのは当然の流れと言えるでしょう。
1.3 副業について悩む薬剤師が多い
副業したい薬剤師さんが増えている一方で、副業について悩む薬剤師さんが多いのも事実です。薬剤師さんの転職の相談をお受けしていても非常に増えました。5年前に比べて3倍程度でしょうか。副業をしたい薬剤師の皆様のお悩みで代表的なものは2つあります。
1.3.1 会社で副業が認められていない
薬剤師さんが副業についてのお悩みのひとつ目は「会社で副業が認められていない」ことです。副業許可の問題です。厚生労働省からも「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が出ている時代なのですが、未だに副業を正式に許可する法人は少ないのが実態だと思います。これは法人の規模に関係ないようです。副業が認められている法人においても相談すると嫌な顔をされたり、ネガティブに受け取られたりすることもあるようです。
薬剤師さんの転職の相談をお伺いしている中で「副業をやりたい薬剤師さんが言われたこと」として耳にする機会が多いのが「まだ薬剤師として一人前ではないのに副業なんておかしい」「副業をする余裕があるならもう少し勤務に入って欲しい」「医療に関わる者として副業というのはふさわしくない」といったところでしょうか。ひとつだけ付け加えますが、「薬剤師の仕事は好きなので副業と両立して続けたい」とお考えの薬剤師さんが多いです。こういったネガティブなお話を浴びる中で、薬剤師さんは本業と副業の両立に悩まれるのです。
※「できれば薬剤師の仕事から離れたいのでまずは副業から新しいことにチャレンジしたいという薬剤師さんも副業を希望されている中の20%程度いらっしゃいます。
1.3.2 副業をする時間がない
薬剤師さんが副業についてのお悩みの2つ目は「副業をする時間がない」というものです。薬剤師さんの勤務は、現在は5年ほど前に比べればだいぶ良くなりましたが、病院薬剤師さんも調剤薬局薬剤師さんも時間外業務が多くなりがちです。加えて薬剤師さんの働き方には「週休2日なのに半休が週に2回あって実質的に週休1日」問題があります。この問題を知らない調剤薬局にお勤めの薬剤師さんは幸せです。大手調剤薬局グループや都市部の調剤薬局はだいぶこの問題が解消された印象です。地方の調剤薬局や一部の中堅調剤薬局グループにおいてはまだ「週休2日なのに半休が週に2回あって実質的に週休1日」問題が散見されます。似た問題として、病院薬剤師さんの週休1.5日な気がする問題もあります。(この問題を知らない病院にお勤めの薬剤師さんは良い環境で働いていらっしゃると思います。)
2 副業したい薬剤師の悩みが解決する働き方も変える移住
副業をしたい。けれども両立が難しい。副業でお悩みの薬剤師さんに知っていただきたい選択肢が、地方への働き方も変える移住なのです。地方であれば、副業との両立が現実的になるのです。なぜ地方への働き方も変える移住が、副業したい薬剤師さんの悩みを解決するのでしょうか。具体的にその理由を見ていきたいと思います。
2.1 地方の方が副業OKな薬剤師求人が比較的多い
都市部、特に東京・大阪といった大都市の方が考え方が先進的で副業OKな法人が多そうだ、と皆様お考えになられると思います。確かに事実です。地方よりも格段に大都市の方が、考え方が先進的であり一般的には副業についての理解があります。しかしです。薬剤師さんについては一概にそうとは言い切れません。どうしてでしょうか。
それは薬剤師さんの需給バランスです。地方の方が薬剤師さんが不足しており、特に「若い薬剤師を採用したい」というニーズは大都市に比べて地方の調剤薬局の方が強いです。その為、「若い薬剤師を採用するにあたって、副業を許可した方が良い(副業を許可してでも若い薬剤師さんを採用したい)」とお考えになられる経営者が地方には多いのです。
一方で大都市において薬剤師さんの採用は、地方に比べれば困っていません。年々採用がしやすくなっており「採用にあたって薬剤師さんを選ぶことができる」と大都市の薬局経営者・採用担当者は考えています。そんな中で副業をしたい薬剤師さんは本業に集中していない印象があったり、副業に本腰を入れていくのではないかと邪推されがちです。複数の薬剤師さんを選ぶ中で「副業をしたい」という不安定要素がある薬剤師はどちらかといえば倦厭される状況が生まれているのです。
以上を根拠に、将来的には変化する可能性もありますが「副業をしたいなら、地方の調剤薬局が狙い目」だと言えるでしょう。
ちなみに「調剤薬局」と限定しており、病院は含めていません。地方の病院は副業OKではないのでしょうか。答えは「副業OKとしている地方の病院は少ない」です。地方の病院が副業を認めない傾向なのには理由があります。病院においては薬剤師さんは医師に次ぐコメディカルに位置します。言うなれば看護師、臨床検査技師,理学療法士,救急救命士等々の皆様と同じ立場です。副業についての可否はコメディカルの職員において一律に考えられることが一般的であり、調剤薬局と比べハードルが上がります。また、調剤薬局は営利法人が多く経営者や少数の経営陣が即断即決する傾向があるのに比べて、病院は比較的年齢が高めの多くの理事によって構成される理事会による決定が必要であり決定プロセスのハードルが高いのです。年齢が高めの方々は、副業に対する印象はネガティブな印象を持つ方が多いです。その結果、地方の病院においては副業が認められづらいのです。
以上のような理由により、薬剤師求人で副業OKなのは地方の調剤薬局が多くなります。
2.2 週休3日正社員だと副業の余裕が生まれる
副業したい薬剤師さんのお悩みのもうひとつ「副業する時間がない」についてはどうしたら解決できるでしょうか。週休3日薬剤師.comでは「週休3日正社員の働き方を選択する」をお勧めします。薬剤師さんのお話を伺うと日々の業務や、薬剤師としての勉強があり、副業する時間がないというお話をよく伺います。正社員として勤務している場合、半日が週に2回ある週休1日に近い働き方か、完全なお休みが週に2日ある完全週休2日か、お休み2日と半休が1日ある週休2.5日のどれかになると思います。週休2.5日なら副業する時間が比較的取りやすいかもしれませんが、時間外業務などにより休日はそれなりに休息したい方も多いと思います。
その点で言えば週休3日正社員と副業は相性が良いです。薬剤師として勤務する日が少ないことにより疲労が減ります。その上で週に3日、自由な日ができるので、休息を1~2日取るとしても、週に1日または2日はしっかりと副業と向き合えるのです。
パートでも可能ですが、「それなりの年収を確保したい」「安定的な雇用契約は確保したい」「社会的に正社員で働いていたい」のであればやはり(基本的には)無期契約で、毎月の勤務日数が明確に決められていて、安定した月給が確保できる正社員にはメリットが多いでしょう。「副業する時間がない」とお悩みの薬剤師さんと週休3日正社員という働き方は副業と非常に相性が良いと言えるでしょう。
2.3 地方の薬剤師求人の方が給与水準が高い
副業と両立なら地方の調剤薬局が良い理由の最後が「地方の方が給与水準が高い点」です。例えば調剤薬局勤務歴5年の方が転職する際に提示される年収が東京で480万円程度だとすると、地方であれば500〜550万円程度だと思います。中には600万円前後に到達する求人もあるでしょう。
では週休3日正社員の場合は年収はいくらくらいになるのでしょうか。詳しくは週休3日薬剤師.comに無料相談登録いただければご説明させていただきますが、地方であれば週休3日正社員で年収400〜500万円程度でしょうか。中には年収550万円程度になることもありますが、これは薬剤師さんの評価が高かったり、1日の勤務時間が長めな場合、中山間地域など僻地の場合などです。なお「年収に加えて家賃補助があれば嬉しい」とお考えの薬剤師さんも多いですが、地方の調剤薬局においては一般的に「年収(人件費)」と「家賃補助」を合わせて経費として考える傾向が強いので、家賃補助がある場合にはその分年収は抑えられていることが多いのでご注意ください。
お分かりいただけると思いますが、地方における週休3日正社員の年収と大都市の一般正社員の年収はそれほど違わないのです。厳密に言えば地方で週休3日正社員で勤務する年収は、東京で一般正社員で勤務する年収の90%〜100%程度くらいになってきます。住宅費や生活費の低さを考慮すると、経済的に余裕が出る可能性があると言えるでしょう。
3 まとめ
以上、副業と本業をしっかり両立したい薬剤師さんに選択肢のひとつとして「副業と本業を両立するために、週休3日正社員として地方の調剤薬局に転職する移住」を詳しくご紹介させていただきました。もちろん生活利便性や、遊べる場所や刺激が多い、交通利便性が高いなど大都市で働き暮らすメリットは絶大です。しかし、副業と本業の両立の優先度が高いのであれば、地方に移住し、地方の調剤薬局において週休3日正社員で働くのは有効な手段と言えるでしょう。
薬剤師としての仕事に価値があり、継続する中で得られていく知見があるのは間違いありません。一方で副業についても、薬剤師とは違う領域において得られるものも多いはずです。副業をする領域の知見はもちろん、仕事や対価としていただく報酬に対する本質的な学びもあるはずです。副業で学んだことが薬剤師の仕事に還元できることがきっとあるはずです。薬剤師さんが本業と副業を両立させるのは、これからの時代の働き方の一つと言えるでしょう。皆様にお勧めできるわけではないですが、ご興味がある方はじっくり検討されることをお勧めいたします。
週休3日薬剤師.comでも副業と本業の両立を目的とした転職のご相談を承っております。お気軽にご相談ください。まずは、皆様の副業に対する想いをお聞かせください。